一時は全国で4千を越える数を誇った酒蔵も今は2千を割り込んで減少を続けています。
廃業の原因は販売不振に始まり後継者不在、人員確保など様々ですが情熱的な酒造りを貫いて来た地方の蔵元でさえ窮地に立たされているのは悲しい事です。
せっかく良い物を醸してもそれを売ってくれる酒屋がいない、評価してくれる消費者との接点がない、というのが現状のようです。
日本文化のひとつと言っても過言でない伝統を持つ清酒が衰退の一途を辿るばかりでは情けなさ過ぎます。
幸い、全国各地で日本酒文化を取り戻すべく、蔵元と酒屋が各々の立場を踏まえた上で共に手を取り、がんばる姿が増えて来ました今はまだ微力でもいずれ彼らが日本酒の未来を担う事になるでしょう。
このような情熱的な蔵元、若い酒屋にどうぞご声援下さい
■日本酒という伝統文化
発酵学の先生に坂口謹一郎という方がいますが、その方が「日本の酒」という著書の中でつぎのように語っています。
「世界の歴史を見ても、古い文明は必ず麗しい酒を持つ。すぐれた文化のみが人間の感覚を洗練し、美化し、豊富にすることができるからである。それゆえ優れた酒をもつ国民は優れた文化の持ち主である。」。
日本酒の製造方法というのは世界でたった1つしかない並行副発酵という形式をとっております。
ワインの場合はすでにぶどうに糖分がありますので、糖化という工程はありません。
日本酒の場合は蒸した米を糖分に変える糖化という工程があり、そしてその糖分を酵母が食べてアルコールに変える発酵という工程があります。それが1つのタンクで並行して行われるという形式が並行副発酵です。
これは私たちの祖先が国酒として作り出し考えてきたもので世界のどこにもない優れた技術の酒であるといえます。